雨宿り



あ、雨や…

空が鈍色で…まるで今の私みたいやな。

そやけど、何か落ち着く。

しとしと降る雨を見てると、渉との今までがフラッシュバックして…

あぁ、渉 真っ赤な顔して告白してくれたな。

『キスしたい』いきなりファーストキス奪われたな。

テストで負けて落ち込んでたな。

案外ヤキモチ妬きやな。

そんで、いつも振り返ると優しい 笑ってくれる。

私…

いつも渉に甘えてるんやなぁ。

……



何か悩むのが阿呆らしなってきた。

どうでもええやん。

恋愛にマニュアルなんか無いんやから。

渉と私らしいにしてたらそんでええやん。

「美桜、図書室行こ」

渉が呼んでる。

「うん。掃除当番やし先に行ってて」

渉が教室を出て行くのを見送り

なんか分からんけど

ほんわか幸せやなぁ~と感じて…

私、渉を好きになってよかったなぁ。

渉、私を好きにさせてくれてありがとうな。




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