雨宿り

後片付けを終わらせ

リビングで紅茶を飲む。

美桜はまだエプロン着けたまま。

お、俺、ドギマギしてる。

「どうしたん?」

「へっ?」

美桜が俺の顔を覗き込む。

「な、何でもない」

「顔、赤いで」

「エプロン…似合うな」

「……」

お、俺、何言うてるんや?

美桜が困ってるやん。

「いや、その…」

「ありがとう」

えっ、今… 美桜小さい声で「ありがとう」って…

美桜は顔を真っ赤にして俯いてる。

「美桜」

「うん?」

美桜を抱きしめようとすると

えっ?

美桜が立ち上がり

「アイス食べよ」

冷蔵庫に取りに行き

「はい」

俺に一個渡す。

さっきまでの甘い雰囲気は何処へ行ったんや?

美桜は美味そうにアイス食ってる。

「渉は食べへんの?」

「あ、食う」

「美味しいね」

「あ、あぁ美味いな」

ハッハハハ…

「何がおかしいの?」

「うん、いや、何でもない、ハハハ…」

笑いが止まらへん。

意表を附いてくる美桜が、可愛いらしいって愛おしくておかしくて…

ハハハ……

美桜…

いつまでも

俺をドキドキさせてな。

な、美桜…



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