雨宿り
「美桜が何かおかしいさかい桃と二人で問い詰めた」
問い詰めたって…お姉さんら怖っ!
「ヤキモチ妬いたみたいやね」
「……」
「美桜は恋愛とか男の子の事とか、 ちょっと鈍感やから…ナンパされても分かってへんし」
「……」
「そやけど渉君と付き合うようになって、ちょっとは女の子らしいなってきたんよ」
ちょっとはって
「美桜は、めっちゃ女の子らしいです」
「ハハハ…そうか。ありがとうな、渉君」
「へっ?」
「美桜の事、そこまで思ってくれて」
「えっ、い、いや」
「そやから仲直りしてほしいねん。 美桜も強情っ張りやから…仲直りしたいとは思ってるんやろけど…どうした らええんか分からへんねん」
「は、はぁ」
「渉君も謝るのん嫌か?」
「えっ、あ、い、いやぁ」
考えたら俺が悪いんやもんな。
「俺…謝ります」
「あ、ありがとう。ほな渉君、明日来て。あ、明日は江上先生と私と桃と美桜と渉君やから…親は来いひんからね」
よ、よかったぁ。
美桜の親の前で流石によう謝れんわ。
「あっ、美桜には内緒やから」
「へっ?」
「そやから6時からなんやけど、10分位経ってから来て」
「は、はい」
「渉君、ありがとう」
「いえ、俺の方こそありがとうござい ました」