雨宿り




「渉君、食べてや」

「あ、はい」

桃香さんに進められ食べる。

「フフフ… 渉君って」

「……」

「ほんまにイケメンやねぇ」

「はぁ?」

「私のストライクゾーンやわ」

も、桃香さん!

何を言い出すんですか?

「ほんとやね、渉君男前やし…桃香のタイプやな。私かって知之さんいてへんかったら」

「……」

薔子さんまで何を…

「ハハハ…渉君が美桜ちゃんの彼氏でよかった。ライバルになったら大変だ」

せ、先生まで話しに乗らないで下さい。

こっそり美桜を見ると…

何考えてんの か分からんようなポーカーフェイスで黙々と食べてる。

「なぁ、渉君」

「は、はい」

「今度 デートしょうか?」

「はぁ?」

桃香さん…俺、あなたの妹の彼氏ですけど!

「かまへんやん。それとも私の事…嫌い?」

「い、いえ。嫌いやなんて」

「ほな、デートしよ。美桜」

美桜が顔を上げて桃香さんを見る。

「渉君、一日貸して」

貸してって…俺、人形ちゃうし。

「な、美桜」

桃香さん、俺に腕を絡ませてくる。

ち、ちょっと ほんまにどうしたんですか?





< 155 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop