雨宿り
「あっ、財布」
「う、うん」
渉の財布、擦り切れてきたから選んだんやけど…
「ありがとう。ちょうど買わなあかんと思てたんや」
「き、気に入ってもらえたかな?」
「当たり前やん。前のと似た感じやから使い勝手もええし。そやけど美桜、俺が財布欲しがってるとよう分かったな?」
私があの財布に気づいてへんと思てたんか?
ハハハ…
か、可愛い!
言うたら怒 るけど。
「美桜」
「えっ?」
「あんな」
「うん?」
「キス…したいんやけど…まずい か?」
渉 真っ赤になってる。
う~ん、下にみんないるしなぁ。
「ち、ちょっとだけやったら大丈夫や。と…思うわ」
何が大丈夫なんかよ~分からんけど。
「ほな、ちょっとだけな」
私の肩に手を掛けて
チュッ!
軽くキス。
二人、おでことおでこをくっつけて
「ハハハ……」
何かおかしなった。
「美桜~渉君~もぅええやろ、降りといで」
小姉の怒鳴り声が…
「は~い」
「降りるか」
「そやね」
渉…
今年は最高のクリスマスになったよ。
あんたはどう?
幸せなクリスマスになった?
*Fin*