雨宿り



「ありがとう。嬉しいわ」

「ほんま?俺…作ってへん」

「そんなん関係ないやん。叔母さんに頼んでくれたんやろ?ひょっとしたら頭下げたんちゃう?」

「えっ?あ~」

何でバレてんねん。

「ハハハ…やっぱり。それだけで嬉しいわ。渉」

「ん?」

「着けてもええ?」

「あっ、俺が着けたるわ」

「うん」

美桜からペンダントを受け取り美桜は髪を手で束ねて着けやすいように首を。

ペンダントを留めて

ドキッ!

か、顔が近い。

「美桜」

「……」

そっと口づけを落とす。

――



ピンポーン

玄関のチャイムが。

慌てて離れて

「……」

「……」

「クッ!ハハハ…」

「ハハハ…」

「帰って来たな」

「そやね」

タイミングが悪いのがおかんや。

せっかく ええムードやったのに。

まぁ、そやけど俺と美桜にはこのオチがお似合いかもな。

美桜はおかんにペンダントのお礼を言ってる。

ほんまにこの二人仲がええ。

こうなったら俺は無視やもんな。

知らんかったわ。

普通、息子の恋人とはライバルなんとちゃうんか?

そやけど家は美桜を挟んで俺とおかんがライバルやもんな。

フッ

ほんまに俺等らしいわ。

なっ、美桜




※Fin*



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