雨宿り
「委員長」
「その娘らな、みんな可愛いし。 きっと私より、あんたにはお似合いやと思うたら」
涙が出てきた。
「なんで、私なん?私なんかあんたに は合わへんやん。かっこよすぎる…」
「委員長、いや美桜、それ以上言うたら怒るで」
――
―
「美桜…顔 上げて」
上げられへん。
えっ?
だ、抱きしめられてる?もしかして。
「俺は何回も言うけど…委員長いや美桜が好きやねん。美桜だけや。そんな事言わんといて。それにな美桜は気づいてないけど、美桜はほんとに綺麗なんやで。惚れた欲目やない。そやからさっきの奴らかてナンパ してきたんやし」
「……」
「せっかく遊びにきたんやし泣かんといて、な」
「う、うん」
「それにな、美桜がヤキモチ妬いてくれて…俺、嬉しいねん」
へっ?
「美桜がヤキモチ妬いてくれるんは 俺の事、好き度が上がってるって事やろ?」
す、好き度アップしてる?
そ、そうかもしれん。
「美桜」
「うん?」
「あんたやのうて名前で呼んで」
「うん」
チュッ!
キスされた。
「呼んで…俺の名前」
「渉…」
「うん」
――
―
※Fin*