雨宿り
ふぅ~
胸が痛い。
「彼女、一人?」
へっ?
顔を上げたら、同年代の男子が三人いた。
見るからにチャライやん。
「い、いえ」
「俺達と遊ばへん」
「いやです」
「いやですって可愛い」
えっ?
腕を捕まれた。
「は、離して下さい」
「そんな事言わんと遊ぼうさ」
腕をひっばられ…
「人の女に何しとんねん」
えっ?
「も一回言う俺の女に何してんじゃ!」
ビクッ!
恐い声。
「な、なんや、男がいたんか」
「わ、悪かったな」
三人組はビビって逃げて行った。
はぁ~
「委員長、大丈夫か」
「う、うん」
「何かされへんかった?」
「う、腕捕まれただけ」
今になって怖くなってきた。
「ごめんな。俺が一緒に戻ってたら」
「ち、違う。私が悪いんや」
そうや、自業自得や。
「委員長?」
ガタガタ震えてきた。
「何かあったかい飲み物買ってこよか」
行きかけるのを、
「行かんといて」
「委員長」
「そ、側にいて」
「う、うん」
「わ、私な」
「うん?」
「あ、あんたが泳いでる時…周りの 、お、女の子達が『カッコイイ』とか 『イケメン』とか言うの聞いてな、 何か…む、胸が痛うなって一人先に戻って来たん」
膝に顔を埋めながらポツリポツリ話す。