雨宿り



そやけど委員長は、ほんまに分からんちゅう顔してる。

「バイクやけど」

「バイク。あぁ、バイクで釣り行くん?」

あくまで釣りだと思ってるんや。

「釣りやのうてバイクでドライブつぅか、遠出するのをツーリングちゅうねん」

「へっ、バイクで行くことを?」

「うん。で、行く?」

「わぁ~行きたい。一回バイクの後ろ乗ってみたかってん…そやけど、あんた免許」

「持っとるわ。無免許で誘うか」

果てしなくボケ倒してる。

委員長って…こんなキャラやったんか。

新発見!

だけど

なんか可愛い。

「どうしたん?ニヤニヤして」

不審そうに

「い、いや、何でも無い。ほな、ツーリング行こ」

「うん」

昼飯を食い終わり、図書館に戻りがてら散歩。

えっ!

委員長が

初めて自分から手を繋いできて

俺の耳元で

「ほんと言うたらな」

「……」

ドキドキ

心臓が…

タップダンス踊ってる。

「渉と一緒にいれるんやったら…何処 に行ってもええねん」

俺は…

間違いなく…

この時…

昇天した。





※Fin*









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