雨宿り
「み~おちゃん」
何、その猫撫で声は
「試験…もうすぐですなぁ~」
二学期の中間かぁ。
それがどうした?
「今度こそ勝つ!」
「あ、そう。頑張って」
「ち、ちょっと美桜」
「うん?」
「どうしたん?俺勝つって言うてんね んで」
「うん。まぁ頑張って」
別にどっちでもええやん。
何か賭けてるわけやないし。
「美桜~」
なんやな、情けない声出して。
「俺の挑戦受けてぇな」
挑戦ねぇ。
「受けて何かあるん?えっ渉君。また負けて落ち込む渉君を慰めるのは大変ですよ」
「ち、ちょっと待て!完全に俺が負けるとでもお思いか?」
芝居がかってんな、今日は。
時代劇でも見たんか?
「まぁ、お思いですけど何か?」
「ずぇ~たい俺が勝つ!」
大見え切った。
阿呆か。
私の冷めた目を見て
「美桜は冷たいなぁ。仮にも俺の彼女やったら、もうちょっと優しいしてくれ…」
「仮? ふ~ん私は渉さんの仮の恋人なんや。ほんまの彼女やなかったんやねぇ。と言う事は私もマジな恋人作ってもいいんや」
挙げ足取ったった。