雨宿り
「いじけない。渉君は男でしょ」
カチン!
なんかガキ扱いしてへんか?
「美桜」
「うん?早よ帰ろ」
美桜の腕を掴み
「何で渉君やねん。何でガキ扱いしてんねん」
俺の顔が、声が恐かったんか美桜がビクッとした。
「何で渉って呼ばへんねん。 美桜、俺の事こないだも可愛いとか言うとったけど馬鹿にしてんの?俺がお前には絶対逆らわへんとアマみてんの?」
美桜を掴む手に力が加わった。
「何、怒ってんのん?誰も馬鹿にしてへんし、甘みてるなんてあるわけないやん…こないだ可愛いって言うたんは、ほんとにそう思ったから言うただけで、それ以上も以下もないわ」
美桜も睨み返してくる。
「あんたが勝手にそう思てるだけやん。手、離してくれる?私、帰るし! 一人で」
美桜を怒らせた。
俺の腕を解き横を通り過ぎて行く。
ヤバ!
マジで怒っとる。
そやけど…おかしいのは美桜の方やで。
俺もちょっと腹立ってるし携帯もせんかった。