雨宿り

【其の三】



「ロミオとジュリエット」

本番当日

何とか台詞も覚えた。

段取りもOkや。

衣装に着替えてっと…

衣装は現代的でいこうということなのでカッターシャツとネクタイ、それにジーパン。

美桜もワンピースとか言ってたな。

「時枝君、入っていいわよ」

美桜の支度の為に教室を追い出されてたから、やっとお許しがでた。

!、!、!

美桜…

化粧しとる。

眼鏡も外してるし…

目の化粧のせいでデッカイ目がも一つ大きくなってる。

唇もツヤツヤやし。

そ、それにワンピースが!

ミニやんけ。

いくらタイツ履いてるとはいえヤバ イ。

こ、こんな可愛い美桜を見たら、ま たライバルが増える。

こ、こんな恰好は俺以外見たらあかん。

クラスの男子も教室に入って来て

「委員長、可愛い」

「めっちゃ綺麗やん」

とか言うとる。

あかん、あかんて。

「どうしたん?怖い顔して」

へっ?

「お、おかしいか?」

美桜が俯いてしもうた。

「メイクされてしもてん」

顔を真っ赤にして…可愛い過ぎるやん。

「ぉ、おかしない。き、綺麗やで」

美桜が顔を上げ

「ほんま?りがとう」

ニッコリ笑うてくれた。

俺、

鼻血でそう。

「お二人さん熱いで」

「ヒューヒュー」

外野が煩い。

「お前らなー」

「いいな時枝は。委員長一人じめして」

「委員長、他にもええ男一杯いてるで~」

美桜は、まっかっか!

「お前ら、うっさいんじゃ。それに言うとくけどな委員長は俺のもん。お前ら手出したら殺す」

「ち、ちょっと時枝君」

美桜はさらに赤うなり、俺を止めようとしてる。


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