雨宿り



――



「うゎっ!」

ビ、ビックリした!

目が覚めたら…

美桜の顔がドアップ!

「ビックリした~」

「な、何で美桜が居るねん」

「えっ?お見舞いに来たんやけど。 あ、あかんかった?」

段々 声が小さくなっていく。

照れてんのかなぁ。

「い、いや、あかんくない。う、嬉し い」

ほんま マジで嬉しい。

「う、うん。で、どうなん具合 は?」

美桜、赤なってる。

可愛いなぁ。

「渉?」

「あっ、あぁ。もうだいぶ楽や。熱も下がってきたし」

「よかった。そやけど無理したらあかんで。明日は休みや」

「やっぱりあかんか?」

「当たり前やん。またぶり返したらど うすんの。ちゃんと治しとかんと…」

うん?

何か小さい声でブツブツ言うてる。

顔も赤なってるし。

「美桜、何て?聞こえへん」

「へっ」

驚いたように声を上げる。

「な、な、なんでもない、よ」

手をブンブン振ってる。

何か気になるやんけ。



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