雨宿り
「何デレついてんねん」
あっ、小関。
「お前、委員長見すぎ。溶けたアイスクリームみたいな顔してんぞ」
「溶けたアイスクリームってなぁ。 お前かて上野のこと見てるやろが」
図星やな。小関が赤なった。
「お、お前みたいに蕩けた顔してへんわ」
「はいはい。好きなように言うて下さい」
「怒らへんの」
「俺は心の広い男やからな」
「ふ~ん。あっ、そういうたら委員長、もう辞めたんか?」
「へっ?」
何や?
「アルバイト」
「アルバイト…って、美桜がか?」
何の話しや?
「あぁ、ファミレスでバイトしとったやろ。隣のクラスの奴が見た言うとったで」
「あ、あぁ。もう辞めたらしいわ」
ファミレスでバイトしとったんか、アイツ。
「あ~ぁ、辞める前に行きたかったな」
「へっ?」
「ファミレスの制服が似合ってて、めっちゃ可愛いかったらしいで。俺も見たかったな」
「小関、それ誰にも言うなよ」
「何で?」
「何でもええから…分かったな」
俺の声が厳しかったんか
「あ、あぁ。分かった」