ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
俺を狙った男は一課に引き渡し、俺は乃亜を連れて、乃亜の勤務先の花屋へ向かった。


店のワゴン車を返さなきゃなんないし、自宅に帰っても、恐らくもう、住める状態じゃないしね。



――って、クソチワワ。

敵だけでなく、味方の俺まで嵌めやがって。


ちょっとだけ落ち着いたら、無性に腹が立ってきた。



花屋の自動ドアをくぐると、一人で店番をしていた理沙が、俺に冷ややかな視線を寄越し、


「なんだ、軽傷じゃない」


と、酷く残念そうに言った。


相変わらず、嫌な女。



店番って言ったって、座って雑誌読んでいるだけだしね。

ホント、良い御身分だよ、兄貴やチワワくんが命削って働いているってのに。



理沙も、花屋の店員兼政府の工作員。兄貴やチワワくん、谷口さん、そして情報処理担当の日置たちのお仲間だ。



と言っても、兄貴は既に引退し、遠い僻地で妻のみゆっちとその父親と、苺のビニールハウス栽培を営んでいる。

にも関わらず、こうして政府の機密組織が窮地に追いやられると、いつも強引に呼び出されて、こき使われる。



デキる男の宿命だな、気の毒だけど。


仕方がないさ、国の命運がかかっているんだから。


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