憧れの彼と恋する方法

ローズと名乗ったその不思議な女の人は、側に置いてあった分厚い本を手に取りパラパラと捲り始めた。


その様子をただ眺めているしかない私の頭の中には、次々と妄想が広がっていた。



この人は魔女で、私呪いをかけられるのかも…。

はたまたサーカス団のライオン使い…。

もしくは魔女に憧れるただのおば……



「あんた本当に失礼だね!しかも考える事が単純なんだよ」


ローズさんが本を捲っていた手を止めた。


「へっ!?」


声が裏返ってしまうのは、本日2度目。

というかこのローズさんっていう人…


「私の考えてる事分かるんですか?」


「あんたみたいな単純な女の考えそうな事くらいわかるよ!」


た、単純って…。

まぁ当たってるけど。

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