眠り姫はひだまりで
斉藤先輩とはなんにもなくて、学校内ですれ違っても、向こうがしらんぷり。
完全に嫌われちゃったらしい。
まぁ、私としてもそのほうがいいけれど……。
「ちょっと」
そんな、いつも通りの日常に戻った昼休み。
不意に呼び止められ、振り返ると、いたのはあの斉藤先輩の、取り巻きの先輩達だった。
校舎裏に呼び出され、斉藤先輩に気がないならハッキリと断れと言った、ギャルたち。
「あのさ」
何故だか申し訳なさそうに、私に声をかけるのは、あの時私の胸ぐらを掴んで、怒鳴った先輩。
「………なん、でしょうか…」
思わず後ずさる私に、あの時のことを知らない隣のミオは、頭に?マークを浮かべる。
「話があるんだけど」
こっちきて、という先輩。
ミオに先いってて、と言って、おずおずと先輩たちの後について行った。
*
またも校舎裏。
何故。
私、なんか悪いことしたのかな…。
なかなか言い出さない先輩達が怖くて、焦る私。
そして先輩達は、一斉に頭を下げた。
「「「ごめん!!」」」
え。
「えぇ…え……?」
謝られた?
訳がわからなくて、先輩達に頭あげて下さい、と呆然としながらあわあわと声をかける。