眠り姫はひだまりで


大和は、下を向いて、私に答えた。

「……………色葉は、さ」

「…うん」

「ドジだし馬鹿だしマヌケだし、人気者気質かって言われたら、違うだろうけど……」

「…………うん?」


なんかすごいひどいこと言われた気がする。

「けど…なに?」


「………けど、明るいし 楽しいし、見てて飽きないし。つまんないとかないよ。ふつーに楽しいよ」

前を向いてる大和は、微かに笑ってる。

それだけで、なんだか凄く安心した。

「…………そう、かなぁ?」

私も前を向く。

「うん。あれだね、存在がギャグ」


「ギャグぅ!?」


えぇー!ひど!

大和、笑ってるし!

「要は、そのままでいいってことだよ」


大和は私を見て、優しく笑った。


「変わる必要ないし、色葉はそのままがいい」


優しい目。

優しい優しい大和の目が、私を映していた。



……………もう、いいかなぁ。


大和がこう言ってくれる。

もう、いい気がした。

斉藤先輩の言葉なんて、気にしない。

「…………ありがとう」


私も、笑うことができた。





それから、三日ほど経って。

< 236 / 587 >

この作品をシェア

pagetop