眠り姫はひだまりで

「えぇ〜…って、あ!大和、お弁当食べた!?私引き止めちゃったから…!」


「…大丈夫だよ。そんなお腹空いてないし。てか今は食べる気分じゃない」


さっさと先を行く大和。


その背中を追いかける私には、もう大和への信頼が、とても大きく強まっていた。


ありがとう、と。
心から、そう思って…。


この頃から、委員会で遅くなった日には、一緒に帰るのが当たり前になった。


とても優しい、大和の存在は、この頃の私には大きくて。




思い出せば、あの頃の私は、なんにも考えずに、大和といたなぁ、と思う。


恋を知らない私は、知らず知らずの内に、大和を傷つけていたこと。

ホントになんにも、知らなかった。
考えてなかった。

あの時までは……。















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