眠り姫はひだまりで


「…………」


………あれ、なんか。

変、なの。


集団は、少しずつ歩き始めた。

女子が次どこ行く?って言ってるから、ゲーセンを出るんだと思う。


「…よかったね色葉!」

立ち止まって俯いている私に、ミオが明るく話しかけてくれる。

けど、私はなにも言えない。


「………色葉?どした?水野くんと話せたじゃん。嬉しくないの?」

「……う、れしい…けど……」


だって、優しかった。

笑い方も、口調も、優しかった。


だから、変だって思ったの。



「………色葉?」

前のほうから、大和がこっちを心配している声がする。


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