眠り姫はひだまりで


*色葉side*


「どうしたの?大丈夫?」


わぁぁん、と泣いている男の子に、声をかけた。

男の子は、いきなり話しかけてきた私を見て、びっくりしているようだった。


「お母さんか、お父さんいなくなっちゃったの?」


訊くと、瞳をうるうるさせて、こくん、と頷いた。

…迷子かな?


「…ママ、どっかいっちゃった……」


震えた声でそういうと、男の子は再びぽろぽろと涙を零し始めてしまった。

「え、ええっと…………」

あわわ。

ど、どうしたらいいの、こういうとき。


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