眠り姫はひだまりで


「し、しないよ!それなら食べなくていいです!」

「えー」

ほら、というふうに、ソフトクリームをスプーンですくって、私に向ける。


「いいの?」


完全に、勝ち誇ったような顔。

…ホントは食べたいの、わかってるんだ。


チョコミントの味以外の理由があることを、わかっているかはわからないけど。


私は今度こそキッと純くんを睨んで、まわりを見渡した。


行き交うのは、知らない人たち。

この人たちの目に、今私達はどう見えてるんだろーか。


…手を繋いで、フード被って。

一緒にソフトクリーム食べながら歩いてる姿は、『そう』見えてもおかしくないんじゃなかろーか。



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