眠り姫はひだまりで


ちら、と純くんを見ると、何故かあの悪どい笑みがなく、固まっていた。


「……純くん…?」


眉を寄せて見上げると、彼の顔は少しだけ赤くなった。

…あ。

純くんは拗ねたように私から目をそらしながら、「可愛すぎ」と言った。

「…え」

「…ねだるの、上手いんだよ」


…か、可愛いって…!


純くんは赤くなった顔をごまかすように、「口開けて」と言った。

益々熱くなった顔で、私はなにも言えずに口を開く。


「ん。よく言えました」


気づいたときには、口の中にチョコミントのひんやりした味が広がっていた。


「……あ、ありがと…」


冷たいものを食べたはずなのに、頬のほてりはおさまらない。


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