シンデレラストーリー
タイトル未編集
「rikacoさん!」

誰かが私に声をかける。

「小説読みましたー。すっごく感動して、麻耶泣いちゃいましたもん」

後輩の麻耶ちゃんは、涙もろくて、可愛くて、いつも笑顔がステキなオンナの子。

「ありがとう。」

私はそんな彼女にお礼を言う。

「rikacoさんってやっぱ天才なんでしょうね!ダンサーとしても成功してて、それでいてあんな小説かけちゃうなんて!本当に尊敬してます!」

正直ダンサーの世界は厳しく、プロになってもあまりお金にならないことも多かった。
そんな中で、今はこんなふうに良い事務所に入れて、可愛い後輩もできるなんて、なんて幸せなのだろう。

「あのー、噂で聞いたんですけど、
これって実話なんですか?」

「えっ?」

私の頭の中の機能がすべて停止した。

「そんなはず無いって思ってたんですけど、この前みんながうわさしてたんで。実話らしいって」

「そっか…」

そんな噂が流れているのか。

ふと空を見つめると、あの日のような飛行機雲が綺麗に空を飾っていた。

あの日も確か、こんな綺麗な空の下で、

まっすぐ伸びる飛行機雲を見つめていた。

思い出すのは、あの夏…
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