Love Prince―18歳の初恋―【完】
「携帯を首から下げろ。俺から離れるな。“先生”って呼ぶな」



「……何て呼ぶんですか?」



早口で言われたけど、何とか聞き取れた。

しかし、“先生”と呼ぶのを禁止されたら、何と呼べば良いのだろうか。



「まぁ、適当に?」



先生はスタスタ歩いて行ってしまう。

私は携帯を首に引っ掛けながら追い掛けて、半歩後ろを歩く。

パパとママ。

陵介君とお姉ちゃん。

それぞれカップルの背中を見ながら歩いてると、パパ・ママが立ち止まった。



「寄り道したいから、お前たちは自由に散策しててくれ」



「11時半に、ここで集合よ」



有無を聞く前に、パパたちは、神社へと行ってしまった。
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