Love Prince―18歳の初恋―【完】
「私の彼氏は、癒杏の担任である龍哉さんの弟なんです。癒杏の…彼氏も」



ややこしく、嘘も言ってるせいか、苦しい気持ちになる。

ただ恋して、付き合ってるだけなのに。



「そうだったんですか…」



校長先生と教頭先生に頭を下げ、癒杏を捜しに行く為、立ち上がった。

真実を言いたいと、心が叫ぶ中、校門へと歩みを進める。

車はなく、でも私を待っててくれた陵介を見付けると、うっすら涙が浮かんだ。

恋は自慢が出来るほどしてないけど、癒杏みたいに運命なんて信じなかったけど、あると思った。

私が行く先、振り返った時、陵介は居てくれる。

涙を抑え、陵介の手を握った。

一緒(とも)に、先を見つめて。




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