十五の石の物語
私とヴェールは体格も雰囲気もどこかしら似ていたために、私達は宿の者に兄弟だと偽った。
それは冗談ではなく、その方が、なにかと自然に思われると考えたからだ。
今回、ヴェールは思いきって黒眼鏡と手袋をはずしてみたのだが、誰にも不審な顔をされることはなかった。
ヴェールの目はすでに黒眼鏡なしでも太陽の眩しさに耐えられるようになっていた。
髪の色も近頃では本来の色が分からないほどに黒くなっていたので、帽子もかぶらなくとも大丈夫だろうと思ったのだが、ヴェールがまだ不安がるので帽子はそのままにしておいた。



その夜、私達はこれからのことを話しあった。

今すべきこと…いや、今出来ることは森の民についての情報を集める事だけなのだが、その方法を考えなければならない。
あちらこちらで、森の民のことを聞いてまわっていれば、そのうちに怪しい三人組と思われ、情報が探りにくくなるだろう。



「何か、もっともらしい言い訳はないものか…」

「じゃあさ、森の民に昔世話になったことがあるとかはどう…?」

「森の民のこと自体、ただの伝説のように思っている者も多いのだぞ。
そんなことを言えば、おかしな奴だと思われるのが落ちだ。」

「う〜ん、そっか〜…
じゃ、あたし達はトレジャーハンターで、伝説のお宝を探してるんだとか……」

「そうだな…
もっともらしい理由といえば、やはり、そんな所しかないか……
そして、その宝に森の民の伝説が関わっているふりをして……」

それならなんとか話の辻褄は合いそうだ。



「……それにしても、あたしはともかく、あんたら二人はどう見てもトレジャーハンターって柄じゃないけどね。」

「…そうですね。レヴさんはそういうタイプでは……
……あ!」

「どうかした?」

「良いことを思い付きました!
レヴさんは、各地の伝説や民話を研究している学者だということにしてはいかがでしょう?」

「なるほど!それは似合ってるかもしれないね!
レヴなら学者に見えるよ、きっと!」

サリーがヴェールの意見に膝を叩いた。
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