お兄さんと【完】
約束したエスカレーターのところに行くと、真っ先に星くんと目が合った。
今の惨めな姿を見られるのが嫌で、すぐに目をそらす。
「よかった。このまま会ってくれないんじゃないかって不安だったよ。」
そう言いながら駆け寄ってきた星くんは、前髪を乱して軽く袖をまくっていた。
寒い!!
星くんのその格好は見てるだけでも寒いよ!
「せ、星くん上着は!?」
「あぁ、車の中に置いてきちゃった。でも今は全然寒くないから大丈夫。」
星くんが手でパタパタとあおぐ姿を見て、今更ながら気がついた。
もしかして、ずっと私のこと探して走り回ってたの?