紺色夜話
「わ……持田さん……」




拓郎は驚いて一歩後ずさりました。




勝平は銀子の手に緑色や抹茶色のカードがあるのを確認して、もう一度拓郎をジロリと睨みます。




「ただの名刺ですよ、普通にいつもお客さんに配ってる、ただの……」




焦る拓郎に、勝平はフッと微笑むと
「分かってるって、ご苦労さん。
 あとは俺に任せて、ホラお客さん呼んでるぞ」
と銀子の前を陣取るのでした。




「あ、勝平…来た」




「銀子さん、あの…」




「ん? なあに?」




フンワリと微笑みながら答える銀子に、勝平は唖然としてしまいました。




通りがかった志郎を呼び止めた勝平は
「銀子さんはどうしたんですか? あれ、いつもと違いますよね」
と心配そうに言います。
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