紺色夜話
「ああ、そうなんだよな、絡まないどころか……あの色気だろ。
 拓郎もついプライベートな名刺を渡すってもんさ」




志郎は少し面白そうに言います。




「なるほど、だから先輩も名刺を銀子さんに……」




勝平に疑いの目で見られた志郎は
「お前ヤキモチ焼きだなぁ、俺のは仕事用だ、確認してもいいぞ」
と余裕で呆れます。




「でも、付き合ってもいないうちからそれじゃ…」




「分かってますよ、もうっ」




勝平はもう一度笑顔で拓郎を威嚇して、銀子のカクテルを心をこめて作るのでした。
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