10センチメートル☆ロマンス




 私達が向かった駅ビルには色んな雑貨屋さんがあって、その中にある、ある雑貨屋さんで買い物をする。



「ねぇ、そういえば佐伯くんて何着るの?」

「俺? 俺は……」



 言いかけて、口をつぐむ佐伯くん。

 構わず買う物を選んでると、小さな声で、

「……執事」

 と、答えた。



「えっ! めちゃくちゃ似合うね!」


「……俺はイヤなんだよっ」


 私の言葉に、耳を真っ赤にしながら呟く佐伯くん。



 そして、チラリと私を見ると、


「そういう月島は何着るの?」


「……私? 私は巫女だよ?」



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