10センチメートル☆ロマンス




『はぁ…。 だって声聞けたし。

 明日も会えるだろ?』



 ……何、この子ってば。
 今サラッと言ったよね?

 声聞けたし…って…。


 いっ今、言ったよね――!?



『葵さん?』



 頭がのぼせてしまった私は、蓮くんの呼びかけにしばらく返事出来ずに、結局、強制的に電話を切られてしまった。







 受話器ごしの、甘い声。

 面と向かってなんて絶対に言わないであろう、甘い言葉。



 私はベッドで身悶えながら、余韻を楽しんでた。



 ―――明日、どんな顔して会えばいいのかな…?



< 253 / 352 >

この作品をシェア

pagetop