10センチメートル☆ロマンス




「葵さんもう学校終わったんだ」

「あー、葵さんだぁ〜」

「ねぇ蒼一郎待ってるの?」



 蒼くんのクラスメイトが私の周りにわらわらと集まってきた。



「えっと……」



 どうしよぉ。

 完璧邪魔してるよね、私。



「ほら、みんな早く練習戻れ!」


 苦笑いで子供達に受け答えしていたら、昔担任だった西田先生が助けてくれた。
 先生の声に、みんな渋々ドッチボールをしに戻っていく。その姿を見ながら蒼くんを探すけど、まだ見付からない。

 ガックリする私を見て、


「都築なら怪我した奴を保健室に連れてってるからいないぞ」


 そう言って、ニヤリと笑う西田先生。




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