10センチメートル☆ロマンス




 幾度となく通った道。


 子供達の元気な声に、少し気持ちが落ち着いてきた。


 小学校の今の時間は、ちょうどクラブ活動の時間。
 蒼くんはドッチボールを選択してるから、きっと外にいるはず。


 年季の入った『宮代市立小学校』の看板を見ながら校庭に足を進めた。





「あ――っ! 葵さ〜ん!」


 聡くんが私を見つけたみたいで、大きな声で私を呼ぶ。だけど、私はまだ彼達を見つけられなくて。
 キョロキョロと探してたら…


「こっちこっち!」


 校庭の奥でドッチボールをしていた聡くんがこちらを見て大きく手を振ってるのが見えた。


 私も聡くんに笑顔で近づく。



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