10センチメートル☆ロマンス




 気付かないうちに顔を近づけてマジマジと見ていたら……


 パチッと、蒼くんが目を開けてしまった。



「うわぁ!」


 椅子から転げ落ちそうな位にびっくりして私を見る。



「なっ 葵さん!どうしたのっ」



 顔を真っ赤にして焦ってる焦ってる!



「ふふふっ パパさん帰ってきたから夕飯だって〜」

「あぁぁ……はぁ…
 すぐ、行く」

「あはっ 顔、手の痕ついてるよっ」

「……うるさいよ」



 ちょっと不機嫌な声。


 それでも、耳を赤くして頬を手の甲で撫でる蒼くんに、私は小さく笑った。




< 83 / 352 >

この作品をシェア

pagetop