- π PI Ⅱ -【BL】


桐ヶ谷は―――女っぽい顔立ちをしているのに、中身は本当に男。


分かってたことなのに、時々こっちがびっくりするぐらい怖くなる。


ギムレットのグラスがカウンターに置かれて、だけど俺はそのグラスに手を付けることはしなかった。




「……興味本位ってのもあるけど…俺だって男だし……



―――……分かるだろ?」




これ以上言わせないでくれ。




俺は苛々と前髪を掻き揚げた。


「―――…つまりお前は、俺とヤリたいわけ?」


ど直球に聞かれて、俺の方が面食らった。


慌てて回りに視線をやると、幸いにもこの話題を誰も聞いている様子はなかった。


ほっと安心して胸を宥めると、


「……あのなぁ」


俺は呆れたようにため息を吐いて、ようやくギムレットに手を伸ばした。


乱暴に取り上げたから、グラスすれすれに入っていた液体が零れる。


「答えろよ。ヤりたいわけ?」


冷たい液体が指にかかり、その不快な感触にか―――それとも桐ヶ谷の言葉にイラついたのか、得体の知れない気持ちの悪い思いを抱いた。





「当たり前だろ?」




やけくそにそう言うと、桐ヶ谷は怒り出すかと思いきや―――…


ちょっと穏やかな微笑みを浮かべていた。





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