- π PI Ⅱ -【BL】


「ババ抜きしてるだけなのに、何でそんな意味深な会話なんだーーー!!」


俺は思わずテーブルをひっくり返そうと(秘儀!ちゃぶ台返し!!)してその手に力を込めた。


「だってこの方が面白いから♪」


面白いのはあんただけだ!!


俺は刹那さんの持ち札から一枚強引にカードを抜き取ると、


見事ジョーカーを引き当ててしまった。


次に刹那さんが俺のカードを引き


「やった~♪あがり~♪」


なんて言って刹那さんはカードを放り投げる。


「だから急いではダメって言ったでしょう?♪」


はいはい、そーですね…俺が悪うこざいましたよ。


ってな具合で机に突っ伏す。


あぁ周…いつもはあんなにお前のことを鬱陶しいと思ってたけど、今日ばかりは早く帰ってきて~~!


俺は泣きそうになるのを堪えた。



――――

――


刹那さんのお陰であっという間に時間は過ぎていった。


ある意味退屈しなかったし、余計なことを考えないで済んだけど…


でも刹那さんの相手は俺一人で無理!


無理無理無理!!


20時を過ぎたところで刹那さんはシャワーを浴びたいと言い出し、


何でシャワー?すっかりくつろぎモードだな、なんてあれこれ突っ込みどころはあったものの、


「どーぞ、どーぞ」と潔くバスルームに案内した。


これで少しは彼女から開放される。


ため息を吐いて、俺はソファに倒れこんだ。




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