- π PI Ⅱ -【BL】



え―――………


三好が、俺を―――…?


「…それはないよ…」


そんなこと言われたことないし、親切だけどそれは友達として…そんな目で見られたこともないし……


俺と彼女(周のこと)との仲を応援してくれてるし、相談にも乗ってくれた。


それにあいつは男だ―――…


って言っても男と結婚した俺が言っても説得力ないけど…


「恐らく三好自身気付いてないと思う。戸惑っているはずだ。悩んでいるはずだ。


お前への気持ちを抑えたまま、願望は欲求に膨れ上がりやがて犯罪を巻き起こす」




「そんな簡単に決めつけんなよ!あいつはそんなヤツじゃない!」



お前が三好の何を知ってるって言うんだよ!


俺も怒鳴った。狭い車内に俺の叫びにも似た声が響き渡った。


周はそれ以上何も言い返してこなかったが、代わりに無言で車を降り立つと、俺を強引に車から引っ張り出した。


有無を言わさず部屋に押し込められると、強引に顎を持ち上げられ真正面からじっと睨まれる。


「ついでに言わせてもらう。被害に遭った男たちは全員どこかしらヒロに似通ったところがある。


体型、髪形、顔の造り―――


若い連中を狙ったのは、さっきも言ったとおり営業先で目をつけてたからなんだよ」


と俺の腕を握ったまま、言い聞かせるように俺を覗き込んでくる。


「それは偶然か、それとも何か他の意図があってのことだろ?アイツは絶対に違う!」


それでも反抗する俺に、周は苛々と髪を掻きあげた。


「じゃぁ聞くが。何故日曜日俺たちは水族館に行けなかった!」


は…?水族館??何でその話が今??


「三好は知ってたんだろ?お前が水族館に行くことを楽しみにしてたってことを!あいつは行かせたくなかったんだよ!!更に言うとあいつはお前の相手が男で、刑事であることも気付いてたはずだ」


そう言えば……三好は俺がデートする予定であったことを知っていた。そしてあの晩、三好から電話が掛かってきた。



でもそれは……




偶然―――………だろ?




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