【完】想うのはこれから先も君ひとり
「利用してる気がして怖い」


「大丈夫。心配すんな」


「ごめんね…」


杏莉は安心したのか泣き始めた


俺は離れないようにギュッと抱きしめる


抱きしめて分かった


こんな小さな身体で必死に耐えてるんだ


本当は泣きたかったんだよな…


俺に何が出来るんだろうか?


「優斗、帰ろうか?」


仕事終わりの瑠夏さんが入って来た


「杏莉、泣いてるの?」


「はい。我慢してる気がして泣かせてあげてます」


「愛花の前でも泣いてたのよね」


……愛花の前でも?


杏莉は泣いてて俺らの会話は聞こえていないようだ


瑠夏さんなら分かってくれるかな?


「ねぇ…瑠夏さん。俺、杏莉の役に立ちたい。どうすれば良い?」


「優斗からその言葉が聞けるなんて思ってもなかったわ」
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