さあ、俺と秘密をはじめよう
ま、髪をまとめてなかった原因は俺にある。
おまけにゴムは俺が持っていた。
非は俺にある。
「ごめん!!俺がゴムを持っていたから・・・俺のせいだ・・・」
殴られてもしかたがないだろう。
(どんなことでも俺は受け入れる!)
なのに彼女は俺を殴りもせず、いいのと微笑んだ。
「黒崎君のせいじゃないよ」
「でも、お・・・」
言おうとしたら、人差指で口を制された。
「私はね・・・誰かを攻めようって気はないの。もちろん黒崎君もね。私の心が弱いから―――こうなるの」
それは違う!と言いたかったけど星名は淡々と語った。
「何に対しても冷めてるからこうなるのよね・・・決して見下してるわけじゃないの。でも相手にはそう見えてしまうみたい。それで今日、それが頂点に立って爆発して皆こういう行為にとったわけなんだと思う。
結果的には私は髪が守れて嬉しかった」
手の甲を擦りながら平然としていた。
彼女の手の甲を見た俺は目を丸くした。
「それどうしたんだよ!!?」
「え?ああ・・・先生がカッターで髪を切ろうとしたところ撥ね退けたとき切ったの」
俺は手をとり、傷口を見た。
傷口のところが赤くなっており、深くはなさそうだ。血も今は止まっていた。
持っていたハンカチで彼女の手に巻いた。