さあ、俺と秘密をはじめよう
「陽、本当に彼女出来てないの?」
とどこからともなくアルトボイスが耳に聞こえてきたのは、女友達で幼馴染の琴音 知砂(コトネ チサ)。
知砂とは昌太と同様で中学からの付き合い。
セミロングの黒髪に前髪はピンでとめて、ちょっとネコ目なのが特徴で気遣いなく気楽に話せる女の子だ。
女子の中では身長は中間的だし何よりも美人でスタイルもいい、性格もいいとかで男子にモテてよく告白されてるだとか前に尚弥に聞いたことあった。
俺には関係ない話だとスルーした。
「だから、彼女はいないって」
それを聞いて知砂はほっと息をついた。
「やっぱりねー。この様子だと陽は後10年くらい彼女出来ないよ」
「ほっといてくれ」
知砂に言われたことは最も当ってると自分でも思ってしまった。