さあ、俺と秘密をはじめよう


一つの仮定が俺の脳裏に浮かび上がった。まさかとは思うが…。

今朝似たような声を聞いた。

(他人の空声か…?)



だが、この声は――――今朝あった彼女の声だ。


そうであってほしいと俺は強く思った。


また会えた―――のだから。


歌い終わった彼女は一息ついた。

その横顔は何故だかとても悲しそうで儚げに見えた。


俺は今しかない!と思い声をかけた。



「綺麗な歌声だね」



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