さあ、俺と秘密をはじめよう
「♪―――凛と 咲いた花 は―― うぶかしげにー
枯れていく 友に 何を問うの
言葉 を 持たぬ その口 で なんと
愛を 伝える と いうの――――――♪」
どこからか歌声が聞こえる。
それはとても美しく妖艶で透き通った声。
そして、何よりもどこかで聞いた声だった。
だけど、その声で歌っている歌はどこか苦しそうで何かにもがいていて悲しい歌だった。
何故だか、俺は泣きそうになる。
眠っていた俺はこの歌声で重たい瞼を開かせた。
(一体…誰が歌ってるんだ…)
興味本位で俺はその声の主を探した。
給水塔のすぐ下の近くで歌っていたのは女の子だった。
その女の子の姿に俺は不覚にも綺麗だとそれと同時に何故か廃墟の建物をバックにし、
その場にただ一人とても美しい妖精が月明かりに照らされている場面が見えてしまった。
無論、声はとても鮮明にはっきりとした美しい天使の歌声で何時まででも聞いていたいすら思ってしまった。
(こんな感覚は今朝にもあったような…)
俺はふと、今朝あった彼女のことが脳内に思い浮かんだ。