ファンファーレに想いを乗せて
高校3年 夏

想いを乗せて





「暑っ……」


教室の廊下側の壁に付いている扇風機が忙しく首を振って動いているものの、窓際の私の席には、そんな涼しい風は当たらず、開けっ放しの窓からは、蒸せるような温風と、暑さを増強させるようなセミの鳴き声が聞こえてくる。



梅雨明けも、もうすぐかなと思う7月初め


あと一週間もすれば、彼の、甲子園をかけた最後の夏の大会が始まる―――…


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