きみ、ふわり。


「はよ」

 翌日、俺より後に登校してきた悠斗が、俺を見下ろしながら体裁のみの挨拶も一緒に落とした。


「いつもいつも俺を見下しやがって。
 ムカつくんだよ、てめぇわ」

 すかさず文句を言ってやった。


 本日俺は、天気は爽やかで清々しい快晴であるというのに、悶々とした朝を迎えた。
 何もかもが面白くない。

 という訳で、只今悠斗への八つ当たり強化中。


「だったら、物理的に見下ろさなきゃなんない場所から、今すぐ消えてくれる? 鏑木瀬那くん」

 冷ややかに返されたので、これ見よがしに舌を鳴らしてから、悠斗の机の上にのっけていた上半身をよっこいしょと持ち上げた。

 そうして尻(ケツ)をのせていた自分の机の上で胡坐をかき、じっとりと悠斗を見詰めた。


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