君だけを愛している…



突然声がして慌てて目を拭うと私の目の前にはまた仮面をつけた悪魔が立っていた


『ここは、死にかけの奴等がさ迷う場所だぞ』



「死にかけ?」


『ああ』




――そうだ、私誰かに剣で貫かれていたんだ


悪魔に言われやっと働いてきた頭で思い出す事ができた






「………悪魔、さん?
私をルイスの元へ戻してくれない?」



図々しいお願いかもしれないが私にとって大事なことだ



ずっと傍にいると…

ルイスと約束したから








『駄目だ』


「…ッ!?ナゼ!!
私は早くルイスの所へ」

『そのルイスが自分を見失っている…

今戻ったらきっと傷つけられるぞ』



仮面の中から覗く目は真剣そのものだった


しかしこちらも簡単に引き下がるわけにはいかない


「でもッ!!!」


『それにあっちではお前は1ヶ月、目覚めていない事になっている

ルイスはそれに焦り、自分の持っている力が暴走している状態なんだ』


「そんな…」




『ルイスは今牢獄に閉じ込められている…』



「ッ!…」


『それほど危険な状態
なんだ…

ルイスではない、完璧な悪魔だ

それでも奴の元へ行くか?』



悪魔は私を試すかのように聞いてきたが私はまっすぐと…躊躇う事なく答えた



「当然よ!
二度も閉じ込めるなんて…

それが私のせいならなおさらよ!!」



『…わかった
では戻れ!!魔界へ』










―私は再び意識が途切れた…







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