君だけを愛している…




「ルイス…」


私はルイスに触れようと 手を伸ばした



『触るな』


全く別人のような声を出しているが私の前にいる男はまぎれもないルイスで私が求めたルイスだった






私は構わずルイスの頬に触れた


「私はここにいる…

私は死んでなんかない。
貴方の目の前で私は生きてる…

貴方の傍にいる」




私は牢の扉を開け中に入った



「ルイス…

ごめんなさい、こんなになるまで待たせてしまって」



私はそう言いルイスに繋げられていた鎖を外し抱き締める



「ありがとう…」



私の声に反応したようにルイスは体をビクつかせると…




「…春奈」



私がよく知るルイスに戻っていた



「うん?」


「俺は待ちくたびれたぞ ……

俺がどれだけ泣いたか…」


「うん」



「春奈」

「ルイス…」







「やっと返事をしたな…」


「うん」


「少し疲れた…俺は寝る」


「うん」




ルイスは私の胸の中で涙を流しながら眠った





私はルイスの涙を拭い頭を撫で…



カイさんに手伝ってもらい部屋に戻った









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