君だけを愛している…




「どうしたの??」



「それを春奈に言う意味はあるのか?」


声と雰囲気だけで人が殺せるのではないかと思う位、冷たい言い方だった


「私達、天使は未来を
みる力があります…

私は今言わないと春奈さんがより苦しむ事を知った… だから今言うのです」



「……………」


マルクの言葉に何も言い返せないのか黙ってしまった



「春奈さんよく聞いてくださいね」

「うん?」



「神に選ばれた理由――


春奈さんは…









エレン姫の生まれ変わりなのです」





「生まれ変わり?」


「はい……」





「そして、今まで春奈さんの生きてきた人生は

全部魔界に来るためで
あって…

初代魔王の血を濃く受け継ぐ魔界の王、ルイス様の花嫁になるためなのです」







――魔界に来るため…

―ルイスの花嫁になるため…



―――じゃぁ



「夏奈姉ちゃんが死んだのも、おじいちゃんが
死んだのも、

両親が離婚しそうになったのも、

あの日男の子を助けたのも、


全部仕組まれた事で
私の人生じゃないの?


そしてルイスとの結婚も …?」




「…はい」






「なにそれ…

私は神様たちのおもちゃな訳!?


私の家族がどれだけ傷ついて来たかわかる?!


……あんたらは神なんかじゃない、魔族より酷い
悪魔よ……」


「私はこれ以上あなた達の思い通りになんかならない…




結婚もしない――」


「春奈様!?」


シェリーが呼ぶのも
気にせず部屋を出た








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