幸せの作り方


携帯を左手に持ち、そのままベッドに寝転んだ。

すぐ近くのテーブルに手を伸ばす。

お気に入りの雑誌や広げられたままのメイク道具が煩雑に並ぶその中から、器用に一つのビンを取り出した。


可愛いらしい形をした赤い色の香水。


そのキャップを外し手際良く手首にシュッと一回吹きかけると、途端に甘い香りに包まれていく。


そして慣れた手つきで香水を戻し、私は毛布を深くかぶった。


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