スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
入って来た祐輝と目があった…今まで笑顔、笑顔と心で思っていた気持ちが、どこかに飛んでいってしまった。


「どう…指」


小声で話す祐輝に苛立っている。


「さっき痛み止め飲んだから…」


「あら~晴香ちゃん元気だったかい?世利~大きくなって~」


大きな紙袋が二つ…


多分1つはプレゼント、もう一つは、紅白の一升餅…世利にとって可哀想な行事が始まる。


両親達の挨拶が一応済んで、席に着くと、祐輝の母親がびっくりした声で話しかけてきた。


「晴香ちゃん、指どうしたの?祐輝が、調子崩してて、こちらでやるって聞いて来たけど…それが原因かい?」


「骨折しちゃって…すみません」


「骨折って!どうしたんだい祐輝?」


祐輝の父親が心配して尋ねた。


「えっと…転んで…指折ったんだよな晴香」
< 188 / 536 >

この作品をシェア

pagetop